原状回復工事の流れ③

事業用賃貸物件の退去時の原状回復における指定業者制ですが、オーナー、管理業者が普段からお付き合いしている工事業者さんに依頼している場合がほとんどのようです。

オーナーにとって建物の維持は絶対的命題であり、万が一の際早急な対応をしてくれる工事業者とのお付き合いは欠かせないものです。

原状回復は次の入居者を募集してつつがなく安心して入居してもらうために行うものであり、段取りや仕上がりなどバラつきがあっては困るものなのです。

従ってオーナーにとっていつもの業者さんにお願いするのはもっともな話といえましょう。

指定業者制はその建物をよく知る工事業者さんが見積もり・工事を行うので効率的でエラーやトラブルが少なくなるというメリットがあります。

その一方で、相見積もりなど比較ができず、工事内容もブラックボックス化しがちである、などといったデメリットもあります。

では、退去側が工事業者を選定することは可能なのでしょうか?

これは「出来る場合もある」というのが正解のようです。

賃貸借契約書に指定業者について取り決めがある場合はその指定業者以外に依頼することは不可です。

この場合、工事や費用の内容が適切かどうかをチェックしたほうがいい場合もあります。

賃貸借契約書と工事見積もりの内容を照会したり、単価を調べてみるなりの対処を行った方が安心して費用負担ができることも多いと思います。

一方で原状回復において指定業者の取り決めがない場合、借手側が一切を行う取り決めになっている場合など、退去時に管理会社等にお任せとはいかない契約内容の場合もあります。

その場合、原状回復を請け負っている業者に依頼するなどの手配が必要となります。

次回はその場合の業者との付き合い方や内容を見ていきましょう。

 


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