「原状回復の流れ①」では
(1)退去申し込み
(2)現場立会い
をご説明いたしました。
立会いの内容を元に原状回復の内容や負担などを決めていきます。
(3)住居用賃貸物件の場合、賃貸物件の退去の際に行われる工事・作業のうち不注意や故意による破損や改造などの復旧工事が「原状回復」に相当します。
同時に変色や変形等、時間の経過による「経年劣化」の補修も行われることがほとんどです。
経年劣化は自然になる変色や変形などであり、入居者の責に帰すことができません。
例えば畳表の日焼け、クロスの茶ばみやプラスティックパーツの変色等が経年劣化に該当し、退去時に費用負担をすることはありません。
原状回復の負担については国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にします。https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html
ところで貸店舗や事務所などの事業用賃貸物件の場合は居住用賃貸物件とは異なることがほとんどのようです。
事業用賃貸物件の場合、不注意や故意、経年劣化など関係なく一切の回復を借主の負担で行うことがほとんどです。
これは居住用賃貸物件は入居者が暮らすために供されることのみを目的にしているのに対し、事業用賃貸物件では使われ方が借主により大きく異なることが多いという背景があるようです。
従って住居用賃貸物件の原状回復よりも事業用賃貸物件の費用が大きくなることがほとんどです。
また賃貸借契約書で工事業者が指定されていることも多くなっています。
この指定業者制にはメリット・デメリットがあるようです。
次回、この指定業者制について調べてみることにしましょう。